エピローグ さらば友よ

旅の終わったあとの話。全く大したことしてない。

今回、9/5にマドリードにゴールしてから9/8に一緒にゴールに走ってくれた大岡くんを見送るまでの数日間のことについて書く。

なお、僕らは観光する気が全くなくてマドリード生活の7割をネットでマンガ読むことに費やしたのでこのエピローグは内容死ぬほどない!!

マドリードには3泊したのだが、本当に観光しなかった。今までの疲れが出てやる気がなかったのもあるけど、僕らの目的は「チャリでマドリードまで走ること」であって、それを達成したら「観光」することはクソどうでもよくなった。

マドリードでは大岡くんは朝から晩までネットで「金色のガッシュベル」を読んで俺は「弱虫ペダル」の2週目に入ってた。


大岡と旅中、弱虫ペダルごっこしてたのが懐かしい。「俺は鳥取の暴れ牛石原ァ!」とか言って激コギすると早くなった感じするのよ。

重い腰を上げて昼から観光。

これは美術館。有名なゲルニカが飾ってた。写真禁止だった。

大学生ごときがすごい生意気なんだけどモナリザみたあとだとどんな有名絵画もどうでもよくなった。芸術はわかんないんだ。

大岡くん、またサッカースタジアムを見に行く。なんかマドリードのサッカーチームも強いらしいけど、バルセロナでみたスタジアムのが良かったみたいです。


最後の日の昼飯。


まぁ、そんなこんな適当にマドリードは過ごした。


3日もいたのにもう書くことない。俺たち本当にずっと漫画読んでたんだ。

みんな金色のガッシュベル、大人になっても面白いから読もう!!

マドリード首都なのにすげぇつまんない。バルセロナ楽しかったからスペイン行く人はバルセロナ行くことオススメする。日本も東京より京都、大阪のが楽しいのと一緒やね。

そして刻一刻と別れの時は近く…

大岡くんと愛車たちとの別れ。

大岡くんとサヨナラするために空港へ。

愛車たちも飛行機に乗せると追加料金がとんでもない額になるし、そもそも性能やば過ぎてこれ以上乗らないので空港でサヨナラすることに。

走ることものの30分で空港へ。


愛車たちとの別れを惜しんでみる僕ら…。いや、わりとまじで悲しい。

グロッカス…、お前はギアも無いしブレーキも効かないし1日1回パンクするし最悪だったけど、よくここまで耐えたな…!


本当にこのチャリでマドリードまで来れるのか?と毎日言ってたけど本当に着いちゃったからスゴイ。

どんなボロでもやってやれないことはないと教えてくれたチャリ。

パトリツィア…。お前は女性用チャリでむっちゃ回らないと進まないし、キャリアぶっ壊れてるしダメなやつだったけど最高に乗りやすかったよ…!


あんだけボロいだのなんだの言ってたけど別れる時はムチャクチャ寂しかった。少し泣けた。

さらば愛車たちよ。お前たちの名前は半年間ぐらいは覚えてると思う。

今まで使った、鍵やテントなどキャンプグッズも全部この空港の指定ゴミ箱に捨てた。

一気に荷物が軽くなってここでまた旅が終わったと実感。

マドリード空港がWi-Fiも使えないショボいクソ空港だったので近くのマックで時間潰して、別れの時。

大岡…!

ヨーロッパ来て70%チャリしか漕いでないバカな男…!

何年後かオッさんになって、俺らだけしか分からない旅の思い出話してお酒を飲んだらこの上なく最高だろう。

さらば!(肝心の空港の写真はない)

卒論頑張れ。

追記:ハンガリーに帰って外人にチャリ旅の話しても全然反応なくてビックリ。大岡に聞くと日本でもそうらしい。変わり者って思われるだけなんだね。それとも、想像の域を超えているのだろうか。

不思議。

54日目 ママチャリヨーロッパほぼ横断旅 完②


54日目 Part2

最終日の地獄を味わっている。


酷道を必死にチャリを押して歩き続け、ガラの悪い休息地を見つける。

むちゃくちゃクリームパン食ってたらハエにたかられた。

疲れで頭がおかしくなって気持ち悪い動画を撮ってたのでシェアしときます。不快になること間違いなし。


マドリードって田舎なの?ってぐらい近づけども都会らしくならない。もうこの時点でマドリード周辺20km範囲に入ってる。


東京だったらもうとっくに23区入ってるだろ。

どうやらこの道はマウンテンバイク乗りのために作られた道みたいでものすごい走りづらい。砂利じゃなく岩が地面にゴロゴロあるしこんな巨大な水たまりもある。


水たまり渡り大岡くん。靴びちゃびちゃになる。


砂利道を抜けやっと都市部っぽくなった頃には疲労困ぱい、頭で考えることができなくなり俺は何度もルートを間違え、逆走までしてしまう始末。

大岡くんも疲れているのに先導役を変わってくれて、しっかりと俺を引いてくれた。

激坂を1人では登れないと思った時もそうだけど、本当に大岡くんが居てくれてよかった。と、若干まじで泣きそうになりながらフラフラ走った。

そして、ついにゴールのスペイン広場まで3km!!

ここからはゴールが近いのでひたすら動画。ぜひ、ゴール近くでソワソワしてる感を味わってください。



そして、ついにママチャリヨーロッパほぼ横断旅…ゴーーーーーール!!!!

ゴール前で写真を撮ってもらったけど、一眼レフで撮ってもらって使い方がわからなかったのか、ブレまくってる。けど、宝物の一枚。

ゴールした時の感情は昂ぶるというか、ソワソワして仕方なかった。でも泣くほど嬉しいとかじゃなく、毎日チャリを漕ぎ続けるこの生活が終わるということを実感できなかった。

ホステルにチェックインして、ケンタッキーにムチャクチャにかぶりついてビールで流し込んだとき「明日のルートを気にすることも、酒を飲みすぎて2日酔いになることも気にすることはもうないんだ。」と旅の終わりを実感した…。

ママチャリヨーロッパほぼ横断旅      詳細あれこれ

かかった日数は54日。

宿泊地

  • キャンプ場 19回
  • ホステル 16回
  • 野宿12回
  • 無料宿泊(カウチサーフィンなど) 7回

出発前はもっとカウチサーフィンを利用しようと思っていたが夏休み中はバカンスに出掛けてるヨーロッパ人が多く2度しか利用できなかった。上手くいけば主要都市での宿泊費をごっそり浮かせることが出来る。

旅中にかかったお金は推定33万。準備費は推定3万。

準備費と旅序盤のお金はバイト代でまかなえたが中盤から情けないことに親からお金を頂いた。しかし、留学先のハンガリーで暮らしてても2ヶ月で15万程度以上。日本に帰っても飛行機代や飲み代同じ程度かかったと思うので良しとする。出世払いしよう…。

俺の走行距離は3889km。

友人に「それって北海道から東京ぐらい?」と言われたけどとんでもない!3889kmは北海道の先端から海を越えて上海に着くぐらいなんです!ドヤ!

大岡くんの走行距離は推定1300km。

これは北海道先端から福岡ぐらい。うん、まぁ大岡くんにしては頑張ったんじゃないかな?俺は上海で君は福岡。はっはっは、そんなもんそんなもん。

(石原 感想)

ヨーロッパはチャリ人気みたいだしお金もかからないからやってみようぐらいの心持ちで始めたこの旅。初めてすぐはまさに地獄のようで楽しいことなんて何もなかったし、途中イタリア序盤では大の男が泣くほど辛かった。ってゆーか、寂しくなった。けど、日本とは違う景色を見たり、毎日トラブルが起こってそれを自力で解決したり助けてもらったり、自分が意味わからないおかしな、でも大きな事をしてることが快感になった。結果的にどうだった?って聞かれたらまず本当につらかった。けど 本当に楽しかった。出発する前、ハンガリーの周りの友人にも「不可能だ」「死ぬぞ」とか言われて、俺ももしかしたら今度こそ死ぬかもしれないと思ってたけど案外今も生きてるので、何事もやってみたら大したことない、やってみようと思えるようになれた。

(大岡 感想)

軽いノリから始まったヨーロッパチャリ旅。今振り返っても時々思う、なんでこんな旅に行ったのだろうと。初めの一週間は本当に日本に帰りたかった。朝から夜まで自転車をこぎ続ける。次の日もその次の日も‥。この繰り返し。でも、日本に帰って一週間経って思ったことは結果充実してたかなっていうこと。多分、この旅行をしてなかったら大学生最後の夏休みダラダラ過ごしとったんやろなーってすごく思う。感想を聞かれると辛いことが真っ先に出てくるけど、色んなことを実際に見て感じて得たこともめっちゃ多かった。最後に、この旅をもう一回したい?と聞かれたら絶対にしません。

以上。

今までの投稿を読んでもし旅に出たいという気持ちになった人がいたら、大学生のうちに今すぐやってしまった方がいいと思う。

ママチャリほぼヨーロッパ横断ブログ

54日目 ママチャリほぼヨーロッパ横断 完①

54日目

今日はTaranconからスタート。

50日以上走りつづけたこの旅も今日で終わりだ。何事もなければいいけど、何事があっても今日で終わらせたい。

目指すはマドリードのスペイン広場!
最終日ということで朝から気合が入る。ちなみに今日はお揃いのトマト祭りTシャツを着て走る。ふたりで着るとユニフォームみたいだわ。


Tarancon を出発してすぐの所で今日も果てしない荒野が広がる。もはやどんだけ酷い砂利道でもドンと来い!って気分。


大岡くんはいつも通り自転車のパンクが心配らしい。今日まで砂利道を走ったら100%パンクするという最高のパンク成績。ちなみに昨日パンクしたチューブは俺が直して走れるようになった。

砂利道を走ること30分。またもや大岡くんのチャリ前輪パンク。


すぐにでも直したいけど前方は遥か彼方まで砂利道が続く、直したところですぐパンクするのが落ちなので砂利道を抜けるまでパンクしたまま突っ切ることに。




今までにないほど不安定で走ってるだけで転びそうになるらしい。


大岡くんは必死だけど俺は最後の日にふさわしい事件だなぁとか呑気に考えてた。

パンクしてそれどころじゃない大岡くんに絡みまくる俺ムービー。だって今日は…せーの、最終日ー!



やっと砂利道を抜ける。辺りは何もないので暑い日向で直すしかない。何度も何度も見てきたけどこいつのパンク修理姿も今日で見納めか…笑


砂利道を抜け出した次は山の上の街。もうこの時点でマドリードまで残り60km程度のところなんだけど想像してた整備された道とは全然違う。


チャリを押して歩いても激坂すぎて進めない。


おまけに俺のバイクに積まれてる荷物のせいで大岡くんに後ろから押してもらえないと動かないレベルの坂で、しかも岩が地面にゴロゴロ転がっててコケそうにる。

多分1人でここを抜けるのは不可能だった…。仲間というのは良いものだ。


山のてっぺんには平地になっており、またもや荒地。俺たちは本当に首都に向かってるのか?笑


途中の町で馬の闘技場?的なものに行く手を遮られる。こいつのせいでルートがおかしくなって町を出るのが大変だった。


町を迷った挙句、次はGoogleマップのルート通りに走ってると柵を越えて走らないと行けない道へ。



どうやら最終日は絶望的な道しかないらしい笑

明らかにチャリが走るべきでない道を走らされるはめに…。Googleマップよ、お前は最後まで俺たちに牙を剥くのか。

ここの道は野うさぎの巣だったらしく、突然現れたチャリに驚き、逃げ回る野うさぎ達に「うさぎ狩りじゃー!!」と叫びながら、ベルを鳴らしながら走るのは爽快だった。

うさぎ好きの人ごめんなさい。

嘘だろ?Googleマップ…!?

今までいろんな道を通ってきたけどこれは初めてだ、こんな酷い道は初めてだ。ってゆーか、こんなの道とは言えないだろ。たとえ歩行者でも通らないぞ。野うさぎをいじめた罰だろうか。

しかし、俺たちは引き返してルートを変えたりせずにそのまま進んだ。どこまでもこうなったらGoogleマップについて行く所存だ。

最終回長すぎて容量いっぱいなのでわけます。
To be continued…

53日目 マドリードまであと1日。「終わらぬ荒野」

53日目

この日は野宿地を朝早く出発。今日はTaranconというマドリードから90km離れたちょっと大きめの街で安ホテルで泊まる予定。

マドリードに到着予定の明日は万全の状態で臨みたいので、ベッドで寝るのは必須!

暑い。ジリジリジリジリ今日もスペインはバカみたいに暑い。


おまけに道はどこまでも続く荒野。バレンシア➡︎マドリード間はほとんど砂利道、山、荒野を走ってる気がする。

まぁ、その荒野も今日を入れて残り2日走ったら終わり。これまで51日間走り続けた俺にはこんな道なんてヘッチャラだ。


大岡くんの自転車はヘッチャラじゃないみたいで、またパンクするか心配してる。もう変えのタイヤはないし、店もこの辺田舎過ぎてないしパンクしたらどーすっぺな。

走ってたらバリバリのスペイン語でおば様に話しかけられた。どうやらこの先の道は砂利道だから引き返した方がいいとの事。


もはや1時間近く砂利道走ってるので今更そんなこと言われても…って感じだったのでお礼を言ってそのまま走った。

荒野はまだまだ終わらない。ヨーロッパの絵画で農家の絵とかあるけどそのまんまの風景が見れた。いまは人気がないけど昔はこの辺で農作業とかしてたのかな。


こうやってみたら平坦に見えるけど、これ激坂です。でも、きつい道でもあと少しで旅が終わる。今までもっときつい道があったって思えばヘッチャラ。


あ〜〜あ〜〜果てし〜ない〜夢を〜追〜いつづけ〜〜ぇ♬


なんとなく撮ったバイクに乗っている自分の影。2ヶ月近く毎日、坂を登ってキツくて下を向いたらこの影があったけど、それもあと少しと思うと寂しいもんだ。


今日は何事もなく終わった。荒野続き過ぎて写真も撮るものなかったし、途中大岡くんのバイクがパンクしたり大岡くんが蜂にさされたりしたけど、写真撮ってなかった。てへ!

今日はホテルでスーパーで買ってきたパエリアとほうれん草炒めをスペインのサングリアと一緒に食った。


このパエリア、ピラフみたいな味がして全然美味しくない。やっぱり一回、野宿した時に食べたイカスミパエリアには敵わんなぁ。スペインのパエリア、日本でもスーパーで売って欲しい。

さて、明日はいよいよゴールの日。とうとう何も事故がないままハンガリーからここまで来てしまった。

マドリードのホテルに着いたらゴール!というのも味気ないので僕たちなりのゴールを考え、「スペイン広場の噴水で写真を撮ったらゴール」ってことになった。


マドリードまでは残りたった96km。地図で見たところ目立った山は無し!

これならば、「マドリードは首都だし、周りの道路を整っててすぐ着くだろう!」って考えてた僕達は手の施しようのない阿呆だった…。


マドリード近辺、そこには俺たちの想像を絶する最悪な酷道が待っていたのだった…。

果たして俺たちはマドリードへ、無事辿り着けるのか!?

次回、ボロチャリヨーロッパほぼ横断ブログ最終回!

「遥かなる旅路 〜ボロチャリヨーロッパほぼ横断 完〜」

デュエルスタンバイ!

52日目 マドリードまで残り2日。「最後の野宿」

52日目


今日はキャンプ場からスタート。結局、朝まで待ってもwifiは復活せずすることもないのでさっさと出発することに。

まず最初に言いたいのがこのキャンプ場の立地クソだった。

昨日、最後ずっと下り坂だったから心配してたけど思った通り朝からとんでもない登り坂。


そうさ、写真じゃ伝わんないけどこれやべぇの。いつもならホイホイ登る僕もすぐにお手上げ、寒いから厚着してたけどすぐ暑くなって汗でビショビショになった。

山は続いてく、スペインの内陸に楽しい道はないんか!?とか話してたら下り坂で激走してトンネルをくぐり、その先にむっちゃ綺麗なダムに辿り着く。


ずっと旅してきたけどダムは初めてかもしれない。綺麗だ。


断崖絶壁。こんな綺麗なダムあるんだ。日本で有名なダムって黒部ダムとかあるけどこんな感じなのか?


ちなみにラストランは一眼レフを背負って走ってるのでクオリティの高い写真を提供します。

一眼レフをのぞいてると…

おや?あれはなにかな?


おやおや、あれはもしかして…


絶景で立ちションする大岡だぁ〜〜!


大岡はオシッコができるフレンズなんだね!

はい。

途中走ってるとイニエスタって街に到着。サッカー選手でイニエスタっているよねって話ししたら大岡くんがモノマネしてくれた。

​最悪のクオリティだ。むっちゃ笑ってるけど今考えると旅の疲れと暑さで頭がどうかしてたわ。

数キロ進んだところで朝食兼昼飯を食う。スペインではスーパーマーケットを見かけないのでこういうBar的なところに入るんだけど、Wifiはあるし飯は美味いし安いし最高!


今日も昨日見たようなアップダウンの公道が続く。一つ坂を超えるごとに「これで終わりやろ!?」と期待してまた先にある坂を見て絶望することを何度も繰り返した。


俺的チャリ旅ワンポイントテクニック。

  • フラットな道を走るときはテンポのいい音楽を聞いて加速する
  • こういう坂道ではラジオを聞いてヘラヘラしながら登る。ラジオに集中すると坂もあっという間。

ちなみに僕のオススメは「おぎやはぎのメガネびいき」と「オードリーのオールナイトニッポン」です。ラジオっ子なの。

次の休憩場所。安上がりなのでスーパーマーケット使いたかったけど日曜でやってないので仕方なくBarへ。

スペインのローカルBarでアジア人が汗ビショビショで入って来るもんだからムチャクチャ目立つ。俺も大岡くんも目立ちたがりだけど、こういうのは求めてない。
この店の店員さんがスペイン風卵焼き奢ってくれた。ねぇ知ってる?世界は愛で出来てるんだよ。

90km走りきったところで目的地の街へ到着。野宿するつもりなのでBarでWifi繋いで明日のルートやらを下調べ。


今日はBar天国だな。まぁ日曜日だから仕方ないけど。

町の外れに人気のない畑を発見したのでそこで野宿することに決定。って思ってたら管理してるらしきお爺さんを見かける。俺がビビって移動しようか悩んでると大岡くんが聞きに行ってくれた。結果はOk!

俺もそこそこ自信あるけど大岡くんの度胸と楽観主義には負ける。大岡よ…お前カッコよくなったな…。

今日の晩御飯はその辺のマーケットで買った「日本では買えなさそうな缶詰」特集

大岡チョイス「小鳥の丸ごと肉缶詰」


グロッ…。食欲失せるわw。味は不味いツナ缶みたいな感じだったけどまぁ食べれなくはなかった。

そして私チョイス「牛のハチノス辛煮」。何を隠そう私は内臓大好き人間です。

こちらは見た目は割といい感じ。味の感想は…最悪。オラこんなに不味い缶詰初めてだ。雑食の大岡くんも数口でノックアウト。

不味いだのなんだの、ギャーギャー騒いでると夜は更けていく。

予定では明後日にはマドリードに到着し、明日は安ホテルに泊まるつもりなので今日は最後の野宿になる。

とゆーか、キャンプ場にも泊まらないから使いまくってこのテントを使うのも最後。


臭くて狭くて地面は硬いし、テントでの睡眠は最悪だったけどそれもだんだんと慣れてきて今では居心地が良かったりする。

テントで寝るのが最後って考えると旅の終わりが近づいてるってことをものすごく感じた。

数えたらもう10回以上野宿してきた。このヨーロッパという見知らぬ地で何度も野宿して生き延びてきたことは割と誇りだ。

この日はちょっとセンチになって夜空を見ながら大岡くん語り明かした。

とうとう、マドリードまであと2日だ…。生きねば。

51日目 最近の悩みは大量のハエが僕らの体臭に寄ってくることです。

51日目

朝、まず最初に大岡くんのバイクのパンクを直す。新しいチューブがないので、応急処置したチューブにさらに応急処置を加えるという貧乏っぷり。


おれはこいつがパンク修理してる姿を何度写真撮ればいいんだ…?笑

今日は地味〜な道を走る。アップダウンの続く道。しかも風景が同じで10回ぐらい同じ道を進んだ気分だった。

真っ白くて最果ての村みたいな村。何もなくて気味が悪かった。ラストランにマッチするラスボス感が楽しい。

本日も酷道でござる。


今日は60kmだけ走ってキャンプ場に泊まる予定だけど、その60kmが中々ハード。


坂がきつくてこげねぇや。

思った以上にハードなので休憩多め。まぁ別に急いでないからいいのいいの。

暇つぶしに日本にいる友達に誕生日ムービーを作成する私たち。どうやら誕生日は2ヶ月前だったらしいけど笑


やっとのことでキャンプ場到着。

このキャンプ場、立地が変なところにあるうえにWifiがぶっ壊れて使えないし近くにスーパーマーケットがないからこのキャンプ場のレストランで食うしかない。しかもレストラン高い。

15時に到着してひたすらネットいじるぞ!!!と張り切ってたのにクソキャンプ場で残念。これなら昨日のレプソル野宿のがよかったわ。

こりゃ、ビール飲むしかない。「キンキンに冷えてるゲーム」して暇をつぶす。くぅ〜〜犯罪的!


暇だからプールに入っちゃう。


どぼーん!


プールサイドで寝てたらものすごい数のハエにたかられた。この旅の間ずっとふしぎに思ってたんだけど、俺たちの体尋常じゃないぐらいハエにたかられる。

休憩中も絶対ハエに悩まされるし。

臭いのだろうか。早く綺麗になりたい。

50日目 レプソル乗り、レプソルで野宿する。


50日目

昼の12時、チェックアウトぎりぎりの時間。

ついに、3泊したバレンシアのキャンプ場を出発する。街の中心から12km離れた中々ファッキンなキャンプ場だったけど長居した宿を離れるのは少し寂しくなる。

今日からマドリードへ向けてラストラン!遥か昔に思える50日前に出発したこの無謀なチャリ旅も終わりが近づいてる。

頑張るぞ!ってことで出発前に老婆に写真を撮っていただいた。サンクス!
バレンシアを出発して2時間弱で早速、砂利道が出て来た。大岡くんの(クソ)チャリのタイヤが古すぎてすぐ穴がチューブに穴が開くから心配だ。


山&砂利道のコンボですんんんごい走りづらい。思った以上にスピードが出ねえ。というか2時間ぐらい砂利道しか走ってない!

何なんだスペインの内陸。でも旅の最後の敵としては面白い。「平坦地獄」「フィレンツェ山」「海岸崖」やらいろいろあったけど最後の敵は「酷道」。かっこいいじゃないか!!とか1人で考えてた。おれ中二病なんだ。


日も傾いてきた頃、山の途中で大岡くんのバイクの前輪がパンクした。もう替えの新品チューブが残ってなかったので俺が応急処置で直した中古チューブで代用。


こいつはこの短い期間でどれだけパンクすれば気がすむんだ。俺のバイクもよっぽど酷いが彼のバイクと比べたら良質だ。

この応急処置チューブはだんだん空気が抜けてしまうらしいが30分程度は持つらしいので、そのまま走ることになった。

この日の山はどれだけ走っても終わりが見えないほどキツかった。大岡くんによると今までのルートで一番きついらしい。

山を抜けたあとは高速道路の横の起伏の激しい道を走った。これも地獄。

体力が尽きた俺たちは予定してた場所の手前でレプソルのガソリンスタンドを見つけて、そこから少し離れたところに野宿することにした。

画像はネットから引っ張ってきたやつ。

このレプソルというガソリンスタンド素晴らしい野宿地なのだ!Wifi完備、24時間スーパー&Bar、さらに2€でシャワー付き!!これはもう下手なキャンプ場よりも良質。

何度か書いたけど日本で僕が乗ってるバイクがこのガソリンスタンドのレプソルモデル。これ⬇︎

レプソル乗りとしては「ガソリンスタンドのレプソルで野宿する」っていう行為はすごい貴重でテンション上がる!多分、日本にはレプソルのガソリンスタンドがないのでレプソル乗りでもレプソルのガソスタ見たことある人は少ないし、その中で野宿したことある人はもしかしたら初なのでは!?

そしてBARの飯も美味い。ありがとうレプソル。

日本に置いてきた愛車に頑張れ!って応援された気分になりました。


49日目 火祭り博物館のすゝめ

49日目  

やっと旅の目的であるトマト祭りを終えた昨日、今日はバレンシアの観光をしながらゆっくり休むことにする。

久しぶりに一眼レフの出番だ。この旅の間、何度も邪魔だと思った一眼レフだけど少しぐらい使ってやらないと持ってきた意味がないので使わねば。

俺たちが泊まってるキャンプ場。大量にいたオーストラリア人とニュージーランド人は今日帰るらしく荷造りしていた。


彼ら毎晩遅くまで飲めや歌えやですごいテンションの高さだった。

昨日バレンシアの街中に置きっ放しにしたバスを取りに行くためバス移動。


実はまた大岡くんのバイクがぶっ壊れて後輪のブレーキも効かない。前輪ブレーキは崩壊してるのでブレーキ無し状態なのだ。
いつも通り大型スポーツ店Decathlon に行って直してもらってご機嫌な大岡くん。

もし俺たちがヨーロッパで就職しないといけないとしたらDecathlon に就職したいと思うほどDecathlonには助けられてる。日本よりも値段も安いし、サービスすげぇ良い。

みんな行こう!Decathlon!!

バレンシア観光。


この辺で眠たくなってベンチで30分ぐらい寝た。相変わらず観光する気がない僕ら。旅人ならわかってもらえると思うけど観光って別におもんない。


バレンシアにはいろいろ観光地があるんだけど俺たちが一番興味を示したのは「火祭り美術館」。トマト祭りもイかれた祭りだけどバレンシアには火祭りというイかれた祭りもある。

「バレンシア 火祭り」とは。スペイン三大祭りに数えられ、800体以上の張りぼて人形を展示、投票して一位の人形以外全部燃やす狂った祭りだそう。

そしてこの火祭り美術館にはその残された歴代優勝作品が飾られているのだ!

そしてこの美術館、入館料たった2€!安い!


いろいろおかしな人形が飾られてて楽しい。この祭りものすごい歴史があるみたいで最初の年代は割と地味目な作品ばかりだけど、どんどんユニークな感じになっていっておもろい。

綺麗な芸術よりこういう意味わかんないやつ観光する方が面白い。まぁ、これも芸術なんだろうけど。


お客さんも少ないから堂々とアホな写真撮れるぞ!


アホやわ〜

そんなこんなで、バレンシアの綺麗な美術館や教会に飽きたら是非この火祭り美術館に行くことをオススメ。


観光日はひたすらテキトーに過ごすのでブログに書くことない笑

人によって違うんだけどヨーロッパって休息するところだと思うからこのスタイルでいいんだと思う。

さて、明日からゴールのマドリードまでラストラン。最後まで怪我なく終わりたい。

48日目 頭のイかれた トマト祭り。開幕!!!


48日目

いざ!スペイン・トマト祭り!
朝6:00起床。

朝早いのに他の宿泊客もトマト祭りに出かける準備をしている。

俺たちはチャリで出発。キャンプ場からバスも出てるらしいがチャリのが早いのでそうすることにした。

まだあたりは暗くて、なんかソワソワして学祭の日の朝みたいだ。

トマト祭りの会場はバレンシアではなくプジョールという少し外れた小さな町でそこに行くための無料バスに乗る予定
が、バス停に到着してもトマト祭りに参加するらしき人は1人もおらずバスを待ってもこない
うろうろ歩いてると日本人もいるツアーバスを発見し、交渉して往復18€で乗せてもらうことに。
助かった…トマト祭りはいちおう旅の目的にしてるので行けなかったらだいぶツラかった。

さて、トマト祭りとは!

毎年8月の最終水曜日に行われる収穫祭です。しかし、収穫祭と言いつつも、参加者がお互いに100トンもの熟したトマトをぶつけ合う という、収穫に感謝してるのか、怒りをぶちまけてるのかよく分からない祭りですw。さらにその100トンのトマトはブニョールの街が用意するのだとか。

そんなこんなで到着、トマト祭りの村ブニョール。駐車場から会場まで歩いて行くと人が増えてくる!!


日本から持って来てもらったお祭りはっぴに着替えて準備完了!

他にも日本からの参加者ではっぴ来てる人達が。こんにちは!

お前らどーせバルセロナから電車で来たんやろ?チャリで来てないならはっぴ脱げや!!こちとら汗水かいとんやぞ!!とかムチャクチャな話を大岡くんとコソコソしてた。

バスが一緒になったチャイナ。全然関係ないけど左の彼はオカンが社長で北朝鮮にも旅行行ったことあるらしい。

会場入り。俺たちお金をギリギリしか持って来てなくて酒が飲めないけど、他の皆さんはお酒グビグビ飲んですでにエキサイティングしてらっしゃる!


大岡くんが三連続同じムカつく顔している。殴りたい‥。


こんな頭のおかしい祭りに参加する人たちはみなとてもノリが良くてカメラを向ければ反応してくれる!

外人に写真ほしいからいま送ってと大混雑の中頼まれる大岡くん。

トマトを積んだトラックが来る前はひたすらホースから大量の水をかけられてビチョビチョ。もし、防水カバー買ってなかったらケータイを水没してただろうってぐらいの水量。


そして、ついにトマト祭り 11時開始!!もう祭り始まったら写真撮る暇とかなかったので写真は少ないぞ!!



感想、むっちゃ楽しいトマト地獄。

いや最初の10分はすごい楽しい。興奮してるし、はやくトマトをよこせ!!って感じ。でも、シャワーで寒いし、トマト投げられたらまじで痛いし、トマトの匂いで気持ち悪くなるし、ケータイ水没しないか心配だしって感じ。

トマト祭りの時間は1時間しかなくて短くね!?って思ってたけど始まっら30分で「はよ終われェーーー」って思ったw 外人どもは疲れてるかはわかんないけど最後までムチャクチャ元気だった。

それでもムチャクチャ楽しいぞ!こんなに叫ぶことも暴れることも日常じゃないはず!外国人と祭りに参加するとこんな感じなんだ‥‥。参加費も当日券買うと、たった10€(1300円ぐらい)なので人生で一度は参加してみてほしいと思った。

このあと帰りのバスに乗れなくてお金もなくて見知らぬ日本人のお姉様方に電車賃をいただいて帰ったり、夜のパーティめんどくさくなって行かなかったりいろいろあった。

そんなこんなでヨーロッパほぼ横断自転車旅、最大の目的。

2017年8/30 スペイン トマト祭り

La Tomatina

47日目 雨、爆破テロ、バレンシア


47日目

朝5時、突然降り出した雨に起こされた。とてつもなく眠かったが待っていても止む様子はないので公園から近くのガソリンスタンドへ移動するところから始まった。
野宿していて雨に降られて起きると貧しさのあまりに割と死にたくなるゾ!


今日はバレンシア到着予定だが、俺がちゃんと宿泊地の場所を確認せずバレンシア中心からさらに12km走ったところにキャンプ場がある。おまけにバレンシアの街でトマト祭りオリジナルTシャツを受け取らなければならない。結構ハードな日程。

今日の予定走行距離は80kmほど、ここ最近毎日100kmオーバーだったので気分的には気楽だ。
早くにバレンシアに着きたい一心で走る‥。

朝早いから空気が澄んでいて景色が綺麗だった。無限に広がる畑に癒される。


バレンシアまで残り5km地点。小さな町を走っていると止んでいた雨が再び降り出した。


雨宿りをしていると10m先で「ボン!!ボン!!」と小さな爆発が。


テロかっ!!??

と思って周りを見渡すと住民は特に慌てた様子はない。不思議に思って爆発を見ていると導火線が我々のいる方に繋がれており、空中で「ボボン!!ボボン!!」と爆発しながら近づいてくる。


え!?うそ!?テロ!?と本気で慌てて広場に出ると爆発はその広場の中心でさらに激しくなって鼓膜が破れそうなほどの爆音をあげて破裂してる。

依然、住民は慌てずにその爆発を見ている。慌てふためく我々を見ておじいさんが「Festival!!」と一言。

いやいやいや‥‥、小さな祭りにしては爆発デカすぎだろ!!笑

どんだけ爆竹使うんだよ!

おかげで本気でテロかと思ったわ。

テロ後も雨は止まず、そのままトマト祭りのTシャツ受け取り場所まで走る。

オラ!バレンシア!


走り出して3分で大岡くんのバイクの後輪がパンクした。ちなみにこれでパンクは3回目だ。おそらく古いバイクなのでホイールも傷だらけでパンクしやすいのだろう。

この後、俺は雨の中1人でTシャツ受け取りに行くも場所が違ったり、鳩が顔面にぶつかってきたり、大岡くんのバイクの後輪が上手いこと直せないでずっと擦った音がなってたり、いろいろイライラすることがあった。

僕はこの時初めてイライラが頂点に達して「死ね!!!!」と怒鳴る大岡くんを見た。笑いを堪えるのが大変だった。

何とか雨をしのぎつつ目的地のキャンプ場に到着し、落ち着いて作業すると大岡くんの後輪は直った。

おまけにキャンプ場だからテントの中で寝るかと思いきや、ベットを予約していた。自分自身で忘れてたよ。

ハンバーガー食って寝た。

このキャンプ場、オーストラリア人とニュージーランド人が100人ぐらいいてめちゃくちゃ騒いでて肩身狭いんだ。